カート

ほんとうのカフカ

通常価格
2,200
ポイント
60pt(3%還元)
著者
明星聖子
出版社
講談社
レーベル
講談社選書メチエ
シリーズ
ほんとうのカフカ
ジャンル
教養一般一般人文/社会科学
販売日
2024年12月11日
作品形式
一般書籍

この作品はブラウザ視聴(ノベルビューア)に対応しています

[ ノベルビューアについて ]
【40,000作品以上対象!】あなたの好きがみつかるコミックフェア!後半 25%OFFクーポン【何回でも利用可】

作品内容

ザムザが「変身」したのは「虫」なのか? 『城』の冒頭でKが到着したのは「村」なのか? 『審判』という表題は『訴訟』とすべきか?
カフカの作品にはいくつもの日本語訳が存在し、多くの人に親しまれてきた。だが、「虫」と訳されてきた『変身』を見ても、「虫けら」と訳したもの、原語のまま「ウンゲツィーファー」と表記しているものが登場するなど、一筋縄ではいかない。しかも、1915年に発表された『変身』は作家が生前に公表した数少ない作品の一つで、むしろ例外に該当する。代表作とされる『城』や『審判』は死後出版されたものだが、作家は確定稿を残さなかったため、ほんとうの構成も、ほんとうの順序も、ほんとうの結末も推測するしかないのが実態である。
没後100年を迎えた作家をめぐるドイツ語原文の編集事情を紹介しつつ、カフカのテクストに含まれる錯綜した問題を分かりやすく伝え、日本語訳の問題を検証する。あなたは、まだ「ほんとうのカフカ」を知らない!

[本書の内容]
序 章 ほんとうの変身
「虫」ではなく「ウンゲツィーファー」?/「ウンゲツィーファー」ではなく「虫けら」?/『田舎の婚礼準備』と『変身』/“insect” ではなく “vermin”?/『メタモルフォーシス』ではなく『トランスフォーメーション』?
第一章 ほんとうの到着
「K」は村に着いたのか/書いたままのテクスト?/等価ではない翻訳/誤訳だけではない問題/手稿をめぐる誤情報/「私」の到着/うさんくさい男たち/「私」は測量技師なのか/不審な「私」/もうひとつの到着/少年か、青年か/悪魔のような息子/愛のしるし/仕掛けられた罠/ほんとうの到着
第二章 ほんとうの編集
「私」はいつ「K」になったか/電話はどこにかけたのか/出まかせの肩書き/アイデンティティの正体/「章」とは何か/矛盾する編集方針/定められた〈冒頭〉/新しい「始まり」と「終わり」/〈本〉ではなく〈函〉/批判版vs.写真版/完結した章と未完結の章/ひとつの〈いま〉と複数の〈いま〉/〈正しさ〉をめぐるジレンマ/「夢」は含まれるか
第三章 ほんとうの夢
「史的批判版」という名の写真版/編集の問題と翻訳の問題/ほんとうの「史的批判版」/編集文献学の必要性/ほんとうの底本/「オリジナル」概念の難しさ/もっとも新しい復刻本?/アカデミーへ「提出する」?/ほんとうの外見/書いたものを観察する/『審判』か『訴訟』か/ヴァリアントの提示/「幹」はあるのか?/「私」が現れて消えるとき/ほんとうの結末/白水社版の意義/丘の上の小さな家/ほんとうの夢
第四章 ほんとうの手紙
タイプライターで書かれた手紙/批判版での手紙の並び/ブロート版では読めない手紙/妹の結婚/ほんとうの手紙/フェリスか、フェリーツェか

レーベル作品一覧